2016年9月3日土曜日

マインドフルネス



今、世界が本気で取り組み始めたストレス対策。その背景にあるのは、ストレスが原因とみられる心と体の病の急増です。第2回では、最新科学によってその効果が裏付けられた誰にでもできる画期的なストレス対策を、世界の最前線から報告しました。

心をむしばむストレス、その正体として浮かび上がってきたのがストレスホルモンの「コルチゾール」です。長く続くストレスでコルチゾールが多量に分泌されると、脳の海馬で、神経細胞の突起を減少させることが分かってきました。海馬は、記憶を司り感情に関わる部位。損傷すると、認知症やうつ病につながる可能性が見えてきたのです。

こうした心の病を防ぐため、注目されるのが“最新のストレス対策”です。
認知行動療法をストレス対策に応用した「コーピング」。そして、瞑想をベースに生まれたプログラム「マインドフルネス」。世界中で注目される2つのストレス対策をご紹介します。

コーピングを始めてみよう!

番組内で臨床心理士の伊藤絵美さんに教えていただいた『コーピング入門』をご紹介します。
代表的なコーピングの手法です。

(1)ストレスに対してどんな気晴らしや対策を行えば効果的かリストアップします
「できるだけ多くあげる」ことが大切です。100個を目標に頑張りましょう。

(2)実際にストレスがかかった時、それがどういうストレスなのかモニターします
弱いストレスか強いストレスか。そして、自分の体にはどのような反応として現れたか、例えば心臓がドキドキする体の反応か、気分が沈む心の反応か、客観的に観察します。

(3)そのストレスに見合った気晴らしや対策を行います
体に反応が現れることが多い「頑張るストレス」の時には、音楽を聴いてリラックスするなど、気分をしずめるものが効果的と考えられています。
逆に、心に反応が現れることが多い「我慢するストレス」の時には、カラオケで盛り上がるなど、気分を上げるものが効果的と考えられています。

(4)その結果、ストレスが減ったかどうかを自分で判断
まだストレスを感じていたら、さらに対策を続けたり、別の対策に切り替えたりします。

このように、自らのストレスの観察、そして対策を、意識的、徹底的に繰り返すことが大切です。

※「ストレス対策を100個もリストアップするなんて難しい!」と感じますよね。
そのコツは「行動するコーピング」だけではなく「認知するコーピング」も取り入れること。
ストレスが下がる場面や行動を『イメージ』するだけでも立派なストレス対策です。
伊藤先生が指導した男性の100個のリストを参考にして下さい。

マインドフルネスを始めてみよう!

番組にも出演した早稲田大学の熊野宏昭教授による『マインドフルネス入門』をご紹介します。
最初は、10~15分を目安に始めます。

(1)背筋を伸ばして、両肩を結ぶ線がまっすぐになるように座り、目を閉じる
脚を組んでも、正座でも、椅子に座っても良いです。「背筋が伸びてその他の体の力は抜けている」楽な姿勢を見つけて下さい。

(2)呼吸をあるがままに感じる
呼吸をコントロールしないで、身体がそうしたいようにさせます。
そして呼吸に伴ってお腹や胸がふくらんだり縮んだりする感覚に注意を向け、その感覚の変化を気づきが追いかけていくようにします。
例えば、お腹や胸に感じる感覚が変化する様子を、心の中で、「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」などと実況すると感じやすくなります。

(3)わいてくる雑念や感情にとらわれない
単純な作業なので、「仕事のメールしなくちゃ」「ゴミ捨て忘れちゃった」など雑念が浮かんできます。そうしたら「雑念、雑念」と心の中でつぶやき、考えを切り上げ、「戻ります」と唱えて、呼吸に注意を戻します。
「あいつには負けたくない」など考えてしまっている場合には、感情が動き始めています。「怒り、怒り」などと心の中でつぶやき、「戻ります」と唱えて、呼吸に注意を戻します。

(4)身体全体で呼吸するようにする
次に、注意のフォーカスを広げて、「今の瞬間」の現実を幅広く捉えるようにしていきます。
最初は、身体全体で呼吸をするように、吸った息が手足の先まで流れ込んでいくように、吐く息が身体の隅々から流れ出ていくように感じながら、「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況を続けていきます。

(5)身体の外にまで注意のフォーカスを広げていく
さらに、自分の周りの空間の隅々に気を配り、そこで気づくことのできる現実の全てを見守るようにしていきます。
自分を取り巻く部屋の空気の動き、温度、広さなどを感じ、さらに外側の空間にも(部屋の外の音などに対しても)気を配っていきます。それと同時に「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況は続けますが、そちらに向ける注意は弱くなり、何か雑念が出てきたことに気づいても、その辺りに漂わせておくようにして(「戻ります」とはせずに)、消えていくのを見届けます。

(6)瞑想を終了する
まぶたの裏に注意を向け、そっと目を開けていきます。
伸びをしたり、身体をさすったりして、普段の自分に戻ります。

うつ病などの治療を受けている方は、自分の判断で始めず医師に相談してください。




マインドフルネスとは「今自分に起こっていることを、判断や批判なくそのまましっかり認識すること」=心の整った健全な状態であり、デフォルトでこの心の状態に自然になるようにするための訓練法として、最も効果的なのがマインドフルネス瞑想だ。
アップルのスティーブ・ジョブスが瞑想実践者だったのは有名だが、グーグル、インテル、フォード自動車、最近ではイギリス国会などでも取り入れられるようになったマインドフルネスや瞑想は、世界的にも自己管理の王道となりつつある。健康やビジネス上での利点が科学的にも次々と確認されるようになった。
ポイントとしては、瞑想といっても偏った宗教的な要素がないこと、そして忙しいビジネスマンでも手軽に実践できること。そこで、興味はあるけどどう始めるのがよいか、と迷っている方へ、よくある質問を中心にまとめてみた。

【まずは初心者向けベーシック情報】

姿勢は?: 呼吸が楽にできて、一定時間止まってくつろげる姿勢であれば何でもOK。立ったままでも、座ったままでも。
時間と頻度は?: GoogleでマインドフルネスとEQのプログラムSIY(Search Inside Yourself)を創り出し、世界で注目されているチャディ・メン・タンは、「ひと呼吸でも、数分であっても、あなたができる時間であればそれがベストな時間」と言っている。はじめは、がんばりすぎず無理のない範囲で行い、気に入ったら時間を延ばせばよい。頻度についても同じく、気が付いたらちょこちょこ気分転換のつもりで。
場所は?: 瞑想中に家族や同僚に見られて、怪しまれたらどうしよう――多くの人がこの不安を持っているようだ。人知れず自宅で静かに、というのが便利で理想的ではあるが、それも難しい場合、電車やバスでの移動中、カフェ、電車や信号の待ち時間、会社の席でPCの画面や資料をうつむいて読むふりをしながら、など。参考にして自分の環境で探してみよう。
やり方は?: 今すぐ、そのままの状態で立ち止まり、意図的に自分に注意を向けてみよう。目は閉じても、うつむいた状態でもよい。うつむいた状態は、人から見られても怪しまれないというメリットあり(笑) 次の瞬間も、同じく自分に注意を向ける、そしてまた次の瞬間も、という風に。これを少しの間続けるために、今自分の中で起こっている呼吸を注意の対象としてみる。まずはこれだけで十分。(ビデオインストラクションはこちら
そう、今このブログを読むのを30秒だけやめて、上記をトライしてみよう。それだけで、あなたはすでにマインドフルネス瞑想経験者だ。

【より楽しんで継続するためのコツ】

心地よさや自由をのびのび味わう: マインドフルネス瞑想の最中は、どこにも行かなくていい、何もしなくていい、誰かになる必要もない。ただ、あるがままでいられる何より自由な時間だ。この時間だけでも、先の計画や心配事から自分を解放しよう。楽に呼吸を続け、今の自分とともにある自由さ、くつろぎを体感できたらさらに続けたくなる。はじめからストイックに修行だと思わないほうがいい。
1日を振り返って、瞑想の影響・価値を考える: 立ち止まって瞑想した(あるいはしなかった)ことがどう影響したか、振り返ってみよう。「あれ、今日はなぜか苦手な上司ともうまく話せた」「あれ、今日はなぜかイライラしがちだった」など。そして続ける価値があると思えば、続けたり深めたりすればよいし、そうでなければ無理に続ける必要はない。自発的に、自由に行うこと。
雑念がやってくることも歓迎して楽しむ: 呼吸から意識が逸れて「昨日の○○さん、なんであんな態度だったんだろう?」「今日のランチなににしよう?」など思いが「今・ここ」から外れることももちろんOKだ。雑念が浮かぶたびに「しまった!」「いけない!」とダメ出しをしていると、瞑想は苦しいものになって、続けるのもいやになるだろう。それらの思いは何であれ、あなたの「今・ここ」に訪れてくれた訪問者として迎え入れ、それからまた呼吸に意識を戻せばよい。このニュートラルな感覚は、日常生活やビジネスでも冷静さや信頼感を創り出す、重要な基盤となってくれる。
日々の忙しさから、何にもとらわれずくつろぐ時間。責任・肩書・行動・功績とは無縁のあるがままの自分でいる時間。そんな時間がいかに心に滋養を与えよりよい選択を促すかは、数千もの学術論文がなくとも、常識的にわかるだろう。
運動で心身を整えるのがリーダーの間で当たり前となったように、マインドフルネス瞑想もこれからの自己管理法として浸透していくだろう。あなたもぜひ、体験してみてはいかがだろうか?

木蔵(ぼくら)シャフェ君子  一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート理事
近ごろ耳にすることが多くなった「マインドフルネス」。瞑想に近いものですね。お気づきとは思いますが、メディアで取り上げられる頻度が増しているのは、その有効性を示す研究結果が次々に見つかっているためです。ニューエイジっぽく感じるかもしれませんし、人によってはインチキ心理学だとすら思っているかもしれませんが、「マインドフルな状態」でいると、人生のあらゆる面を豊かにできることを裏づける証拠は確かにあるのです。また、この状態に到達するのには、あぐらのような「蓮の花のポーズ」で何時間も過ごす必要はありません。以下に、知っておきたい基礎知識を説明します。


マインドフルネスって結局なんなの?


マインドフルネスにはたくさんの類義語があり、自覚、気づき、集中、覚醒などと言い換えることもできるでしょう。では反対語はというと、単にマインドレスネス(思慮のないこと)だけではなく、注意散漫、ぼんやり、集中力欠如なども当てはまります。
マインドフルネスという言葉は、行為を指して使われることもあれば、精神状態を指す場合もあります(適切な言葉がほかにないのです)。例えば、集中力を研ぎすます脳のトレーニングとして、マインドフルネス瞑想という「行為」があります。これには大抵の場合、いつもより呼吸を意識するという方法をとります。こうして鍛えた脳は、瞑想後も長い間、マインドフルな「状態」でいられるようになります。マインドフルネスの状態にある時は、自分のまわりで起こっていることに、意識を完全に集中できています
なお、後述するように、マインドフルネスの実践には、瞑想のほかにもいくつか別の方法があります。また、瞑想にもたくさんの種類があります。両者は密接な関係を持ちながらも、同じではありません。
マインドフルネスとは、単純に言えば、その一瞬に全力を傾けること、と考えることができます。MITマインドフルネスセンター所長を務めるジョン・カバットジン博士は上の動画の中で、マインドフルネスについて、「今という瞬間に、余計な判断を加えず、(中略)自分の人生がかかっているかのように真剣に、意識して注意を向けること」と定義しています。
シンプルな定義だと思うかもしれませんが、現代の混沌とした世界では、何かに100%没頭することなど容易ではありません。それはつまり、同僚から同じ話を聞かされて、もう3度目になるという時でも、ほんのわずかでさえ気をそらさずに聞き入ることや、皿洗いや「バス停までの道」のような身近な状況でも五感をフル稼働させることを意味するのです。
マインドフルネスは、仏教の教えに根ざしたもので、悟りを開くために大変重要なものだと考えられています。英語版のWikipediaでは、次のように説明されています(太字は筆者によるものです)。

悟り(菩提)とは、欲、憎悪、迷い(無明パーリ語ではmoha)を克服し、放棄し、心から取り去った状態のこと。なかでもマインドフルネスは、(特に、今という瞬間の)物事の本質に対する気づきであり、迷いへの解毒剤であり、ある種の「力」(パーリ語ではbala)であると考えられている。こうした能力が特に力を発揮するのは、今起きていることに対する明確な理解(訳注:正知、もしくは「自己への気づき」)と相まった時である。

同じ状態を、西洋心理学のレンズを通して、新しく、非宗教的に定義し直すこともできます。ハーバード大学教授で、心理学が専門のエレン・ランガー博士は、著書を丸一冊使って、これとは微妙に異なる西洋心理学的な観点からマインドフルネスを説明しています。ランガー博士によるマインドフルネスの定義には、重要なものとして以下のような属性が含まれています。

  • 常に新しいカテゴリーを創造する:マインドフルネスな状態であれば、旧来の分類方法やレッテルにとらわれることなく、状況や文脈に注意を払い、新たな特徴を見出すことができます。例えば、レンガを単なる建材と見るのではなく、ブックエンドや武器、ドアストッパーなど、いろいろな利用法を思いつくことができます。

  • 新たな情報を積極的に受け入れ、物事をさまざまな視点から捉える:マインドフルネスな状態は、カテゴリーを創造できるだけでなく、常に新たな情報を受け取り、新たな可能性に対してオープンになることも意味します。例えば、あなたとパートナーはいつも自分のやり方にこだわって、同じことで喧嘩ばかりしているかもしれません。けれども、相手の視点に対してオープンになることで変化が生まれる可能性があります。

  • 結果よりも過程を重視する:マインドフルネスな状態は、結果についてあれこれ心配するのでなく、ひとつずつのステップに意識の焦点を当てる状態です。例えば、テストの出来を心配するより、その教科を本当の意味で学ぶことです。

つまり、マインドフルネスとは、すべての経験に焦点を合わせ、より意識的になることなのです。ウィリアム・ブレイクの詩「無垢の予兆」(Auguries of Innocence)の冒頭の一節には、このような注意深さがうまく表現されていると個人的に思います。

一粒の砂に世界を求め
野の花に天国を見出す
掌の中に無限を捉え
ひと時のうちに永遠を築く

マインドフルネスの効能って?


「だから何?」と思う人もいるでしょうが、上の定義からもうかがえるように、マインドフルネスを高めれば、集中力が増し、創造性や幸福感、健康、リラックス感が高まり、もっと自分をコントロールできるようになる可能性があります。かけがえのない「この瞬間」に、より深く感謝できるようにもなるでしょう(この瞬間は、誰にでも等しく与えられています。これってスゴいことですよね)。ではここからは、マインドフルネスに関する最新の研究の成果をいくつか見ていきましょう。

  • 記憶力と学業成績を向上させる(心理学関連ブログ「PsyBlog」)。この研究では、学生に注意力を鍛える訓練を行ったところ、集中力の向上(もしくは「上の空の状態」の減少)、短期記憶の向上といった効果が見られました。GRE(大学院進学適性試験)のような、対策が難しいとされる試験の成績すら良くなったそうです。

  • 減量や健康的な食生活に役立つ。>マインドフルネスの考え方を食事に当てはめれば、五感をフルに使いながら、一噛み一噛みを意識してゆっくり食べることになります(米ハーバードメディカルスクール、米誌『Womens Health』)。この食べ方を実施した被験者たちのカロリー摂取量は、空腹時でさえ、対照グループに比べて低く抑えられました。

  • 意思決定能力を高める。いくつかの実験によって、マインドフルネス瞑想を実施した人や、もともと性格的にマインドフルネスの状態に近い人は、「サンクコストの誤り」を免れているという相関関係が確認されました。サンクコストの誤りとは、それまでに費やした時間やエネルギーを惜しんで、先の見込みのない交際や仕事にしがみついてしまう傾向を言います(英国心理学会のブログ「BPS Research Digest」)。

  • ストレスを減らし、慢性的な健康問題の改善を助ける。20の実証研究を対象にしたメタ分析によって、マインドフルネスは、慢性疼痛、ガン、心臓病などの患者の心身の健康をいずれも改善させることが明らかになりました(専門誌『Journal of Psychosomatic Research』)。

  • 免疫力を高め、脳に好ましい変化をもたらす。実験協力者に8週間にわたってマインドフルネス瞑想を指導し、その前後に脳の活動を測定した研究があります(専門誌『Psychosomatic Medicine』)。

  • これまでにわかっているマインドフルネス瞑想の脳への効能が、すべてもたらされる。集中力や創造性の向上、不安やうつ病の軽減、人を思いやる心の向上など...。ここに挙げたのはほんの一例です。

マインドフルネスを実践するには?


残念ながらマインドフルネスは、スイッチを押せばいきなり切り替えられるようなものではありません。ある日を境に、それからの人生をずっとマインドフルネスの権化として生きていけるものではないのです。けれども、徐々に高めていくことはできます。
集中力を高めるには、気が散らないように自分で気をつけて、マルチタスクな仕事術を真似しない、という方法もあります。でも、気が散るのを助けてくれるツールは世にごまんとあり、その助けを借りたって良いのです。マインドフルネスを実践するには、どんなに忙しくても、どんなにストレスのたまる状況でも、いつも意識を研ぎ澄ましていなくてはいけないのですから(実際そういう時は、マインドフルネスがもっとも役立つ場面でもあります)。
まず手始めとして、どうしてもぼんやりしてしまう日でもすぐ我に返れるよう、あらかじめきっかけや手がかりを作っておくと良いでしょう。例えば食事中であれば、フォークを置くたびに、「一噛み一噛み味わって食べる」という目標を思い出すようにしましょう。職場でなら、「1時間ごとの時報」などのリマインダーを設定して、ちょっと休憩をはさむと良いでしょう。
子どもの相手をする前にひと呼吸置けば(相手が大人でも同じことですが)、相手との関係について、もっとマインドフルでいられるでしょう。ほかの実践方法を見ても、感謝の心を持つ、物事をコントロールしようとしない、など、意外に簡単なものがあります。
上に紹介した研究の中に、大学生にマインドフルネスの訓練を行ったら記憶力や学業成績の向上が見られたというものがありましたね。この実験で用いられた訓練には、以下の6つのステップが含まれていました。

  1. 背筋を伸ばして座り、足を組んで、視線を下に向けます。
  2. 自然に浮かんでくる思いと、人為的な考えとを区別します。
  3. 繰り返し過去を思い出したり、未来への不安で気が散るようなら、それを最小限に抑えるために、こう考え直してみます。「過去も未来も、現在の私の心の中の想像にすぎない」。
  4. 瞑想中は、ちょうど船の「」のように、呼吸が集中をつなぎ止めてくれます。
  5. 息を吐くたびにひとつ数を数え、21まで数えたらまた1に戻ります。
  6. 思いが浮かんでくるのを無理に抑えようとせず、心を自然に任せます。

この一連の手順は、マインドフルネス瞑想として知られているので、ご存知の方もいるかもしれません。マインドフルネスを育む最高の方法のひとつです。これは一種の脳のエクササイズで、普段の生活を送りながらでも実践できます(続けやすくするひとつの戦略は、シャワーや犬の散歩など、毎日の日課の最中にこの訓練を行うことです)。
最後にひとつ注意事項を。マインドフルネスの実践はとても有益ですが、心を自然に任せたほうが良い時もあります。米紙『ニューヨーク・タイムズ』は、創造性や洞察力のためには、ぼんやりしたり空想にふけったりすることが必要である可能性を紹介しています。またこの記事によると、高度にマインドフルネスな状態は、「潜在的学習」(無意識のうちに、新しいスキルや習慣を学ぶこと)における効率の低さと相関している可能性があるようです。

こうした残念な研究結果もありますが、俗事と精神世界のどちらにも偏らない「中道の教え」を説いている仏陀であれば、マインドフルネスを利用すべき時と放棄すべき時があるということにも、きっとうなずいてくれるでしょう。深遠な真理を発見したり、試合や試験で成功したりするには、マインドフルネスが有効ですが、そんなことは忘れて、万物の中に心を解き放つべき時もあるのです。

この考え方に賛同すると決めたなら、あなたにとって必要なのは、意識の集中と精神の休息の時間配分について、自分の中で最適なバランスを見つけることです。




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